犬ってのは、群れで行動するので、リーダーを中心に厳格な順位を決めているらしい。
我が家では、やはり家主の僕が1位だろう。Jacquesもきっとそう思っているに違いない。で、2位は家内、3位にJacques。これが順当なランキングだろう。
しかし、最近、このランキングに破綻が生じ始めてきた。僕が夜勤のとき、家内は実家にJacquesを連れて帰っているのだが、そこには、僕のリーダーの 地位を脅かそうとする思わぬ伏兵が潜んでいたのだ。家内の父親である。「お父さんがリーダーの地位を狙っているにちがいない」家内が言うには、実家では、 父親がJacquesを従え、しかも、Jacquesもまんざらでもないような態度らしいのだ。
こ、これはまずい。僕が今まで築き上げてきたリーダーの地位が脅かされそうだ。亀の甲より年の功。犬とはいえJacquesにも年輩者の風格が理解できるらしく、義父のほうがリーダーとして適任と判断したのだろうか。
いままでのランク
1位 僕
2位 家内
3位 義父
4位 義母
5位 Jacques
現在のランク
1位 義父
2位 僕
3位 Jacques
4位 家内
5位 義母
僕がリーダーとしての尊厳を守るためにも、ここはビシっとJacquesに「誰がおまえの生活を守っている」のか教え込まねばいけない。トレーニングと称した地獄の特訓メニューを組んでやろう。
「独裁者の孤独」ってのをほんのり感じてしまった。
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