2004/12/20

ローストしないローストビーフ

 先日、とても分厚いステーキのお話をしました。今回はローストビーフです。
前回のうまいステーキから得た教訓というのは「やはり高くていいモノは旨い」。というわけで、近所のデパ地下の肉屋で、国産紅花牛肉を購入した。
「すいません、サーロインステーキ用の肉っちゅうのはカタマリで買えますか?」
店員のおばちゃんは、カタマリだなんて、いったいどうするつもり?と、ちょっと驚いた様子
「どれくらい欲しいんですか?」
「んー、1キロくらいかな?」
「ちょっとお待ちください」というと、奥の男性店員となにやら相談している。
「グラム1200円のはありませんが、880円のならありますよ」
「じゃぁ、それを1キロください。脂は削ってくださいね」
「かしこまりました、切るのに時間掛かりますから、5、6分お待ちください」というと、奥から男性店員が
「3分でやります!!」
「何にお使いになるんですか!?」
「ローストビーフにするんです」
「あぁ、なるほど」すべてを理解したようだった。
(秤は850グラムを指している)「こちらでよろしいでしょうか?」
「1キロって言ったじゃん、増やしてよ・・・ってわけにもいかないんでしょ?結構ですよ」
「すいません。増やせなくて(笑)」
 850グラムと言っても、断面がステーキサイズなので、厚さが約5センチ弱くらいで、「とっても分厚いステーキ」って感じだ。カタマリって感じではない。
  さて、ローストしないローストビーフの作り方だが、何年か前に、本かなにかで読んだのだが、牛肉のタンパク質ってのは、70度で変成するらしい。変成っ ちゅうのはつまり、卵の白身が常温では透明液体でも、熱を加えると白色個体に変わるというやつだ。つまり、タンパク質が変成さえしていれば、肉は「ナマ」 ではなくなるわけだ。というわけで、肉を70度に保って暖めれば、色はピンク色だけどもナマではない肉になるのだ。手順はこうだ。
 1:肉に塩を擦り込みマッサージして、約30分室温でほったらかす
 2;フライパンで肉の表面を強火で焼き、焼き色をつける。肉汁が出ないように注意
 3:荒熱を取ってから、ZIPロックに入れる
 4:袋にストローを差し込み空気を吸い出しながら、真空状態にしてきっちりフタをする
 5:でかい鍋にお湯(70度)を張り、肉を入れる。
 6:70度をキープしたまま約1時間温める。
 7:温度計で70度を確認しながら、温度が下がったら火をつけ、とにかく70度をキープする。
 8:確認のため、いったん断面チェックしてもよい。
 9:ZIPロックの中にたまった肉汁を手順2のフライパンにあける。
10:適当に白ワインを加える。胡椒、ハーブなんかを入れてそれらしい味に整える。
11:水溶き片栗粉でとろみをつけたらグレービーソースの出来上がり。
12:ホースラディッシュを添えていただきます。

70度に保つのが面倒くさそうですが、5分おきに温度を確認すれば大丈夫です。オーブンで霧吹きかけながら、グルグル肉を回しながら・・・、なんて難しすぎます。お湯にボチャンと入れて、温度だけ気にしていれば、出来上がるだなんて、なんてすてきな調理方法でしょう。

 今月に入って、ステーキだの、ローストビーフだのって、なんか肉ばっかりです。さすがの肉好きの僕でも、「肉はちょっと・・・」って気分になってしまいました。でも、目の前に出てきたら喜んで食べるけどね。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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