2006/12/10

第2回 濃厚鶏鍋友の会

 さて、鍋の季節がやってまいりました。今年も、濃厚鶏鍋友の会開催の時期となりました。
タイトルが第2回となってるが、トピックス的に第1回はどうだったのかというと・・・。

自称グルマンの私は、満を持してきりたんぽを披露すべく、濃厚鶏鍋友の会を開催したわけですが、志半ばでぐでぐでに酔っ払ってしまい、御奉行様のいなくなったアナーキーな世界では、鍋が独り歩きしてしまうわけですよ。第1回出席者は、口をそろえてこう言うのです。

「昼に食べたまかないのチキンクリームスパゲティはまぁまぁうまかったけど、鍋は最悪だったね」
「まかないだけは、うまかった」

同じ轍を踏むわけにはいかないのだ。計画はたぶん申し分ないはずなのだ。きりたんぽにこだわるのがいけないのだ。濃厚な鶏ダシをふんだんに使った鍋ならば、まずいわけないのだ。
というわけで、仕込んだ鶏ガラスープは4リットル。4羽のニワトリの亡骸を使って、濃厚に仕上げました。まかないを含め、昨年のレベルを超越しなくてはいけない。いい意味で期待を裏切らねばいけないのだ。
「まぁ、みんなで騒げりゃ、味なんか二の次!」
という意識を払拭しなくてはいけない。

当日のメニューは、こんな感じ。
 昼飯 :根野菜ごろごろチキンカレー
 おやつ:ニューヨークタイプチーズケーキ(チーズ2割増)
 飲物 :水出しコーヒー3種類(ブラジル、コロンビア、トラジャ)
 晩飯 :濃厚鶏ダシ使用の鶏鍋

昼飯を食わずに集合したせっかちなやつらの胃袋をまず満たすためのカレーライスを作る。もちろん、濃厚鳥ダシを利用する。ちょっと、お腹が一杯になりました。
夜から合流する仲間に合わせて鍋の準備をするので、午後はちょっと時間が空いてしまう。その手持ち無沙汰な野郎どもの胃袋を満たすためのおやつに、チーズケーキを用意した。コーヒーも用意した。このコーヒーは、500ml出すのに6時間かかる。3種類を500mlづつ用意したのだが、そのために、2日前から抽出していた。そんな苦労も知らず、ごきゅごきゅ流していく奴らを見ると、耳許で「だばだ〜〜」と叫んでやりたくなる。

 さて、貴族たちが集うサロンのような鍋パーティを想定していたが、僕含め庶民どもの集まりなので、12人も集まってしまうと、うるさいことこの上ない。みんなで鍋の準備をしようって感じでわいわい始めるんだが・・・。
 白菜切っていると、案の定、包丁で指を切っちゃうやつ。鳥つくねを作っているやつは、生姜がない!とわめきちらす。まるで財布を忘れたサザエさん並にわめく。大根に隠し包丁入れるつもりがまっぷたつにしてしまうやつ。カレーとチーズケーキで既に満腹で「晩飯は軽くそばにでもしようぜ」とか言い出すやつ。みんなでやろうってあれほど言ったのに、働かないやつ。現場を指揮しきれていない奉行。塩を追加しようとすると、「俺は薄味が好みなんだ!」と奉行でもないくせに、鍋を自分色に染めたいやつ。
そんな集まりでも、とりあえず準備はちゃくちゃくと進むものだ。働き蟻の3割は働いていないというが、そういう縮図がここにもあった。

で、美味かったかって? 味覚ってのは、身長体重以上に個人差の表れるものだから、そんなことコメントできませんよ。昨年に引き続き、今年がダメでも、来年ももちろんやるんです。50年くらい続けると、きっと伝統文化っぽいものになっていくに違いない。ムーブメントってのは、こういうところからはじまるものだ。きっと、猿楽や田楽ってのも、最初はこんなんだったに違いない。