2008/08/05

大車輪時代の終焉か、サグラダファミリア竣工か

最近、他人に話すのも憚られるようなことをいろいろ考えたりすることがあるのだが、そんな中でも、このオハナシ。

ピラミッドを作る際に、石をどうやって運んだのか、という問いに対して、僕が小学校の時に読んだ本では、コロの上をソリで滑らせて運んでいたという説だった。
とは言え、引き上げるために滑車を用いたり、大八車のようなものもあったのではないかと、僕は思う。

時代の区切りというものを、平安時代、鎌倉時代、室町時代・・・と区切るのは歴史学者が決めることだが、人間の進化過程という区切りで考えた場合、今現在は、ピラミッドを作っていた時代(いやいやもうちょっと前からかな)から
なにも変わらず「大車輪時代」という区切りなんじゃないだろうか。

自転車、自動車、エンジン、発電機。どれをとっても円運動だ。つまりは車輪だ。回転させることで、モノを動かしたり、電力を作っているのだ。

僕は科学に対して興味はあるが、造詣は浅い。
子供の頃夢に見ていた21世紀になっても、大して変わっていない。
でかいダムを作っての水力発電、でかいボイラーを使った火力発電、核分裂の熱を使った原子力発電。
どれもとてもすごい位置エネルギーや熱エネルギーを持っているのに、わざわざそれを回転させるために使っているだなんて!他にやり方ないんかい?電気作る方法は!もう21世紀ですよ。

レシプロエンジンの仕組みを習った時、直感的に「なんか、無駄が多いような気がするな」と思った。
だって密閉したところでガソリンを爆発させて、1方向に向かう力を、わざわざクランクで回転させるって・・・。
それはチャリンコ漕ぐのと一緒じゃん、って思ってしまいましたよ。

そうそう、チャリンコで思い出したけど、変速器というのがあって、スピードのってくるとタイヤの回転数と足回す回数の塩梅が悪くなるから、漕ぎ初めと、スピード出た時に、ギアを変えて、足1回回したら、タイヤが2回回るようにするシステムなんだけど、ああいう仕組みは、発電所にもあるのだろうか?

どっかの自治体で、エコロジー発電ということで、大量のでっかい風力発電装置を設置したはいいけど、あまり回っていない、という話を聞いたことがある。12chの番組で紹介してた風力発電装置メーカーは、パワーアシスト付きというのを開発したらしい。風が弱いときに「電気を使って」風車を回して、風を受け始めたらあとは風まかせという仕組みらしいが、これこそ、チャリンコ理論ではないか。まあ、発電機のくせに電気を使うっていうのが、目からウロコのおもしろい発想だけど。どっかの自治体も、この仕組みを取り入れればいいのに。

電気を作るという点では、太陽光発電や、人が歩いた振動で発電させたり、温度差で発電させたり、回転させなくても発電できるようになったのだが、これらの技術革新については、大車輪時代を飛び抜けていると言っていいと思う。

さて、大車輪時代の核心だが、それは「移動」においての車輪である。いわゆる「クルマ」ってやつです。ピラミッドの石を運んだであろう大八車と、現代のダンプカーに、いまいち違いを見出せない。動力が人かエンジンかの違い「だけ」である。
そろそろ出てきてもいいだろう。地面すれすれをスイーーーーって浮かんで移動する反重力的なヤツ。
とか言うと、「飛行機やヘリコプターやホバークラフトなんかは車輪じゃねえじゃん?」とか言うヤツもいるだろうが、所詮、「回転する」動力を使っているという点では、大車輪時代の産物であると考えちゃうんだよね。

地面スレスレをスイーーーって浮かんで移動するっていうと、グランドエフェクトを利用したエアロトレインとか想像するけども、あれは軌道があってこそのグランドエフェクトなので、自由にどこにでもいけるってわけじゃないから、まだまだかな。
だけど、小学校の時に想像した21世紀像に一番近い乗り物かな。

多分、化石燃料が枯渇して、代替として燃料電池自動車だとかにスライドしていくという趨勢は理解できるけども、自動車は当分なくならないだろう。自由にどこにでもいける車輪のついた乗り物は、きっとあと何百年かは続くんだろうなぁ。ただ、エンジンという動力が別の物に変わることはあるんだろうけど、大車輪時代に築き上げた地球全体に広がる「道路」という車輪のための軌道が遺跡になるには、しばらくかかりそうだ。

サグラダファミリアが出来上がるころには、何かしらの変化が訪れていてほしいと思うのです。