2005/06/16

ジンギスカン

 なにやら、ジンギスカンが流行っているらしい。
お?北海道出身のおいらの出番だな?
流行っているらしいって情報は、土曜昼間のテレビの情報番組で行列のできるお店の紹介で取り扱っていたので、知るに至った。
しかし、なんでいきなり流行るんだろう?どうやら、羊肉に含まれるカルチニンっていう成分が、脂肪を燃焼させるらしく、健康にいいと紹介されたかららしい。

いやいや、ちょっとまて、それは無理があるだろう。

 僕の知るジンギスカンってのは、鍋一面に油が漂い、よっぽどビーフステーキの方が脂肪分が少なくて良質のたんぱく質が摂取できるのではないだろうかってくらい、「脂っこい食べ物」の最たるものという印象なのだ。
  僕が北海道に住んでいた18年の間、ジンギスカンを食べていたからこんな体型になってしまったとは確信をもって言えるが、ジンギスカンのおかげで、健康的 な日々を送っていたとは言えない。それほど、ジンギスカンってのは、健康とは反対側にあるものだと、今でも思っている。それを証拠に、僕は太っている。

  僕の田舎(北海道というには範囲が広すぎるので、空知地方としておこう)では、何かにつけ、ジンギスカンを食べる。親父の職場仲間が遊びに来たら、ジンギ スカン。花見では、ジンギスカン。運動会で、ジンギスカン。キャンプ、バーベキューでも、ジンギスカン。芋煮会でも、ジンギスカン。焼肉屋はあるけど、メ ニューは、ジンギスカン。そもそも、僕は、カルビって単語を、東京に来るまで知らなかった。お菓子メーカーのことかと思っていたくらいだ。そうだ、僕は東 京に来るまで、「焼き肉」って料理を知らなかった。
 
 東京に来て、焼き肉を食べに行ったときのこと。
僕は、テーブルにやってきた肉と野菜を、一度に全部、鉄板にどさーーっとぶちまけた。そう、ジンギスカンの要領で。
次の瞬間。僕の対面に座っていた友人の拳が飛んできた。
「てめぇ!!なにすんだよっ!!」
僕は、なんでいきなりグーで殴られなきゃいけないのか状況が掴めなかった。
「一枚、一枚、育てながら焼くんだよ!」
「なんでそんなみみっちい食べ方すんだよ、肉はこうやって焼くもんだろが!」
「これだから、北海道出身は...」

そ もそも、ロース肉ってのは、僕のイメージとしては、豚カツやステーキの断面図のロースを思い描いていたのに、出てきたのは、長方形の薄っぺらい肉だった。 他の肉も、薄っぺらかった。しかも、全て牛肉だ。家庭環境の違いも若干あるだろうが、牛肉を焼いて食べる場合、最低でも、1センチ程度の厚さじゃなきゃ、 牛の本懐を理解できないはずだ。あんな薄っぺらい肉は、しゃぶしゃぶ用だ。しかも、その薄っぺらい肉を、鉄板内の自分のテリトリーを遵守しつつ、焼き加減 に神経を尖らせ、タレで味の付いた肉に、さらに付けダレをつけながら食べても、牛を理解できないのではないかと思ってしまう。

話を戻し て、東京のジンギスカン屋の話だが、「炭火焼き」「厚切り」「自家特製ダレ」とかを謳い文句にしていたが、ホント納得いかないのは、付けダレをつけて食べ ていることだ。ジンギスカンってのは、タレに漬け込んだ羊肉を焼いて食べるものだ。肉には既に味が付いている。何故そこにさらにタレをつけて食べるん だ!?
いろは精肉店
松尾ジンギスカン

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