2004/12/07

父親の古希のお祝いに・・・

 70歳を古希という。まぁ、人生の節目だ。息子として何か祝ってやらねばいけない。
「お父ちゃん、何か食べたいものあるかい?」
「肉がいいなぁ」
70 歳らしからぬ返事だ。そしてステーキを食べに行くことになった。というか、半分は僕にも楽しみなので、僕が満足出来るような店を選んだ。主賓をさておき、 祝う側が満足できないような接待は相手に失礼だろう。というわけで、両国のステーキ屋「くに」というお店に行って来た。
 この「くに」というお店。まずステーキ4人前を注文すると、奥からワゴンに生肉を乗せてやってくる。その生肉をお客さんの目の前で好きな分量だけ切ってくれるのだ。お肉の質も確認できるし、好きなだけぶ厚く注文もできる。あぁ、なんてすばらしいシステムだろう。
  うちのおかぁちゃんはフィレステーキを「3cm!」と指示していた。うちのおとうちゃんはサーロインステーキを3.5センチくらい頼んでいた。とても70 歳の食欲とは思えない。僕らも追随して同じ量を注文した。「まぁ、もし多くて残ったら、Jacquesに持って帰ろう」とまで思ったが、無用の心配だっ た。
 ここのステーキは、いわゆるステーキソースというのを一切使わず、塩としょうゆとわさびが付いてきた。「当店特製ダレ」っちゅうのを使用していない分、肉の味のみで勝負しているようでこだわりを感じさせてくれるお店だった。
  さて、問題の味のほうだが、「肉を食わすお店」だけあって、味は最高だ。バターを切るよりも軽くナイフが通っていく。ちゅるるんと口の中でほぐれて食道へ 一直線。肉汁と香りを口の中に残して、消えてしまう。気づいたら4人とも、完食。人生の中でいろんな牛肉を食べてきたが、これを牛肉というのならば、今ま で食べていた牛肉はいったいなんて名前の哺乳類かと思うほど、旨い肉だった。70歳の二人はペロリと平らげ、「これくらい厚い肉じゃないと食った気がし ねぇなぁ」などと言っていた。自分の親ながら、その食欲にちょっと呆れてしまった。
 僕には4人の親がいる。今回で2人分は接待終了したので、あと残り2人だ。ということは、あと2回はうまいもんを食うチャンスがある。親父曰く「確か、72ってのもなんかの節目があるらしいぞ」

 べつにいいけどさ、それ言い出すと、100歳まで毎年やるハメになるぞ

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